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基本となる技術 アッシュクリート ネオ・アッシュクリート 焼却灰 人工海底山脈

人工海底山脈

 近い将来、世界の食糧生産が人口増加に追い付かなくなると危惧されています。ハザマはこれに備えて、1980年から人工海底山脈(湧昇マウンド礁)による漁場造成技術の開発に着手しました。これは、海底に大規模な人工の山脈構造物を築いて湧昇流(底層から表層に向かう上向きの流れや渦)を発生させることで、底層の栄養塩類を海の表層に供給する技術です。海底の栄養塩を太陽光の届く表層に供給できれば、海の食物連鎖の底辺にある植物プランクトンを増やすことができ、結果として、海洋での食糧増産が可能となります。しかし、この大規模な山脈構造物を構築する材料として、陸の山から切り出した石材を使うのでは、かえって環境破壊になります。そこでハザマは素材として石炭灰のリサイクル材を研究し、1995年には新しい石炭灰硬化体『アッシュクリート』(NETIS登録番号:CG-990013)を用いた海底山脈の実証事業に至りました。この事業主体は水産庁の外郭団体である社団法人マリノフォーラム21で、国(水産庁)の補助金も投入されました。ハザマは実証事業の幹事役を務め、2000年に、無事、世界初の人工海底山脈を完成させました。そして、高強度で安全な石炭灰ブロック(アッシュクリートブロック)の大量生産技術と、大水深海域(水深80m)に設計通りの海底山脈を建設する技術、そしてその海底山脈により人工湧昇流を発生させる技術が実証されました。
 事後調査では、海底山脈の完成により、山脈周辺の20km四方海域の漁獲高(標本船による)が250tから1,500tと6倍に、5km四方海域では20倍に増加しました。また、人工衛星による観測では、山脈周辺海域で植物プランクトンが事業前の1.5倍に増加し、水中カメラによる観測では、餌となるイワシやアジを求めて大量のヒラマサが群遊している様子が記録されました。
 海底山脈には、食糧増産の他にもう一つの効果が期待されます。それは、CO2の固定効果です。植物プランクトンを増やすことは光合成によって二酸化炭素を吸収することと同じです。この観点からRITE(地球環境産業技術研究機構)や水産庁は、これを確認するための調査を行っており、地球温暖化対策の可能性が期待されています。
 材料となったアッシュクリートは、品質、安全性、経済性が評価されグリーン購入の対象となる特定調達品目の基準に適合しました。また、海底山脈を築造したアッシュクリートブロックはエコマークも取得しています。アッシュクリートは環境にとても優しいリサイクル材料と言えます。

人工海底山脈イメージ
人工海底山脈による食糧増産の仕組み
アッシュクリートブロック(1.6m角)
気中養生中のブロック
人工海底山脈の施工
築造された人工海底山脈(測量結果)
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