エルデ+ヤシ殻マットの植栽基盤により、薄層緑化から屋上庭園まで、多彩な緑化ができます。

(HS屋上緑化システムはハザマ、西武建設が共同開発しました)

●HS(Hazama Seibu)屋上緑化システム ―薄層緑化から屋上庭園まで―

エルデ(完全リサイクル人工軽量土壌)ヤシ殻マットという植栽基盤により、草本類主体の省管理型・薄層緑化から、高木植栽の屋上庭園までの多彩な緑化が可能になります。

●エルデの特徴

エルデ
(リサイクル人工軽量土壌)

エルデは、発泡コンクリート廃材を特殊コーティングし、それにココヤシの果皮などの食品系廃棄物の堆肥を混合させた完全リサイクル人工軽量土壌です。

・湿潤時の比重が0.79と軽量です。
・適度な保水性と排水性を兼ね備えています。
・粒径が大きいため雑草が生えにくいです。

●ヤシ殻マットの特徴

ヤシ殻マット

ヤシ殻マット(湿潤時の大きさ40cm×40cm×8cm)は、ココヤシダストと肥料をヤシ繊維で包んだリサイクル植栽基盤です。

ヤシ殻マットには、分解しにくいヤシの繊維で表面を覆ったシェルタイプ(主に壁面緑化用)と、水をかけるとすぐに小さな粒子となって崩れるパウダータイプ(屋上緑化専用)があります。

・湿潤時の重量が約60kg/m2と軽量です。
・保水性に優れており、多彩な草本類が植栽可能です。
・既存の建築物屋上に置くだけで、緑化が可能です。

 

●ヤシ殻マットによる屋上・壁面緑化の表面温度シミュレーション

屋上緑化で最大約12℃、壁面緑化で最大約5℃の表面温度低減効果


<シミュレーション条件>
・東京の建築物を想定。AMeDASの平均年気象データを利用。
・8月4、5日に7日間の助走計算を行なった。
・1次元熱容量質点系を後退差分し解いた7)。
・コンクリートと空気層の物性は、文献3)による。
・芝表面を熱容量の無い質点と見なし、日射吸収率0.8、長波長放射率0.9とした。
・ヤシ殻マットの物性は文献1)より、熱伝導率0.55W/mK、熱容量3.3kJ/kgとした。
・蒸発量は文献1)より、入射日射量に比例すると仮定し、(1)式で与えた。

 LE=αITV ・・・ (1)
        L:蒸発潜熱(2500)[kJ/kg] α:蒸発潜熱分表面放出率(0.4)
        E:蒸発量[kg/m2]       ITV:日射量[W/m2
・裏面境界は完全断熱とした。
・表面総合熱伝達率は23.2[W/m2K]とした。
・水平面全天日射量は右図のとおり。


【参考資料】
[測定結果]
ヤシ殻マットによる屋上緑化の熱的性能試験の結果1)を示す。

[参考文献]
1)森一顕 他:ヤシ殻マットによる屋上緑化の熱的性能に関する研究、日本建築学会大会学術梗概集 2003年9月掲載予定。2)BECS/CEC/AC for Windows 操作マニュアル、1999年11月、財団法人建築環境・省エネルギー機構。3)梅干野晃 他:屋上芝植栽の熱的性能に関する実験研究その1〜3、日本建築学会大会学術梗概集1991年9月、pp.927〜932。4)梅干野晃 他:同上その4〜6、日本建築学会大会学術梗概集、1992年8月、pp.757〜762。5)恩村定幸 他:屋上芝生植栽による蒸発冷却効果に関する研究その1、日本建築学会大会学術梗概集1992年8月、pp.767〜768。6)恩村定幸 他:同上その2、日本建築学会大会学術梗概集1993年8月、pp.1531〜1532。7)宿谷昌則:数値計算で学ぶ光と熱の建築環境学、丸善株式会社、1993年3月。

 

 

●ヤシ殻マット屋上緑化による断熱効果シミュレーションの例

真夏の屋上表面の温度変化

真夏において屋上の表面温度は最大60℃にも上昇しますが、ヤシ殻マットによる屋上緑化を施すことにより最大40℃に抑えられます。
実際に屋根直下の室温にどの程度の低下が見られるかについては、シミュレーションにより推定可能です。例えば折板屋根をもつ鉄骨造の無冷房2階の執務室空間を対象にした場合、諸条件の想定により盛夏時最大5.6℃ほど下がります。これは屋上緑化が家庭用エアコン1台分(約2480kcal/h)と同等の熱量を室内から奪っていることになります。

 


想定執務室 平面図


想定執務室 断面図

シミュレーション結果


<室内温度シミュレーション 想定条件>
・対象となる空間は、名古屋地区に建設された2階(最上階)に位置する、空調設備のない執務室空間とする。
・外気温度条件として、盛夏時を対象とし、名古屋地区冷房設計用外気条件(危険率5%)を拡張し使用する。
・執務室の形状は、南側に他執務室を持つ東面間口7.5m×奥行6.5mの平面(面積48.75m2)で、階高3.0m、天井高2.4mとする。
・東面及び西面外壁には、1.7mw×1.2mhの窓ガラスが、腰壁高1.1m上に3組設置されている。
・各部の構成材料と厚さ、及び熱貫流率は、
一般屋根:岩綿吸音板@9mm、石膏ボード@9.5、天井内空気層@600、防湿材(ペフ)@3、屋根鋼板@0.6 :Kr=1.92kcal/hm2
緑化屋根:岩綿吸音板@9mm、石膏ボード@9.5、天井内空気層@600、防湿材(ペフ)@3、屋根鋼板@0.6、緑化マット@100 :Kr=0.40kcal/hm2
外壁:壁クロス、石膏ボード@9.5mm、壁内グラスウール充填@60、セメント系サイディング@15 :Kw=0.49kcal/hm2
窓ガラス:普通板ガラス@6mm :Kg=5.01kcal/hm2℃ 明色ブラインド使用。
  その他:対象室の床はコンクリート主体の内壁、また隣接する執務室との壁や廊下との間仕切りは軽量間仕切りとし、室間温度差による熱収支を考慮しない。
・室内発生熱に関わる室使用状態は、
 照明:30w/m2(8〜11時及び13〜17時まで点灯、350Lx、蛍光灯)
 人員:8名(8〜17時まで在室。0.16人/m2。顕熱のみを対象とし、45kcal/h人)
 換気:在室時間帯は窓開放から換気回数7回/h(室内気積117m3×7回/h=819m3/h)、不在時間帯は換気回数1回/h(室内気積117m3×1回/h=117m3/h)
・室内温度変動に影響を及ぼす室内熱容量は、室内気積と床コンクリート表層(30mm)の熱容量から、874kcal/℃とする。
・一般屋根と緑化屋根に関わる相当温度差は、長波反射率(明色コンクリート:0.12、松板:0.4)による補正(r=0.6/0.88=0.68)と、 植生からの蒸発効果(-2℃)を考慮。

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