ハザマ現場レポート

西部浄化センター水処理施設建設工事(下水処理場工事)

(原稿執筆:四国支店)

公共下水道計画図(旧松山市)
(松山市パンフレット「松山市の下水道」より)
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ステップ流入式3段硝化脱窒素法を採用
高度下水処理施設の建設工事が順調に進む

新方式を採用した下水処理施設

 松山市には、現在建設中のものを含めて4個所の下水処理場がある。中央浄化センター及び西部浄化センター、また、今年1月に北条市・中島町との合併により追加された北条浄化センターが現在稼動中であり、北部浄化センターも今年度中に供用開始予定である。
 当工事は、下水道の整備に伴う汚水量の増加に対応するための、「西部浄化センター」の水処理施設を増設する工事で、新たに日量9,250m3の水処理施設を建設するものである。

【各処理場の現況(平成16年度末実績)及び全体計画数値】( )内数値は、全体計画

 
西部浄化センター
中央浄化センター
北部浄化センター
(平成17年度供用開始予定)
敷地面積(ha)
141.6
(141.6)
108.0
(108.7)
53.6
(60.5)
処理面積(ha)
1,070
(2,303)
2,463
(4,194)
-
(1,197)
処理人口(人)
58,418
(139,450)
200,523
(261,000)
-
(61,000)
処理能力(m3/日)
27,850
(102,270)
168,160
(211,750)
-
(43,400)
処理方式 標準活性汚泥法(1系)
ステップ流入式3段硝化脱窒法(2、3系)
標準活性汚泥法 ステップ流入式3段硝化脱窒法

今回増設される「2系」では、「ステップ流入式3段硝化脱窒法」が採用されており、凝集剤添加を併用し、水資源の富栄養化の原因となる窒素及びリンの除去を目的としている。

【施工フロー】
準備工 → 一次掘削 → 外周部遮水鋼矢板打設 → 基礎杭打設 → 二次掘削 →
遮水鋼矢板打設 → 基礎工 → 躯体工土木 → 埋め戻し → 躯体工建築

浄化センター全景
(松山市パンフレット「松山市の下水道」より)
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基礎杭打設状況

 

工事条件

 工事区域は松山空港に隣接しているので、航空機の安全確保のために設けられた転移表面による高さ制限を受ける。最も滑走路に近い地点でGL+8m(TP+11m)、最も離れた地点でもGL+40m(TP+43m)である。このため、杭打基盤は現況GLを一次掘削により2.3m掘削したTP+0.8となっている。また、杭打機リーダー頭部には、「赤色の旗」及び「航空障害灯」を設置している。
 また、工事区域は漁業資源豊かな伊予灘にも面しているため、工事着手時に一槽50m3の沈砂池三槽を設置して濁水の自然沈澱を行い排水している。去る7月2日の豪雨では、止む無く現場を貯水池に流用し残土置き場に高さ1mの堰堤を設置して5,000m3の沈砂池を設置して、濁水の流出を防いだ。

現場全景
(松山市パンフレット「松山市の下水道」より)

松山市政の概要等については、松山市のホームページ(http://www.city.matsuyama.ehime.jp/)をご覧下さい。

 

構造的特長と留意点

 当工事は、最初沈澱池、分配槽、反応槽、最終沈澱池及び消毒タンクを「土木工事」、ブロワー棟、薬品室を「建築工事」に区分されている。
 反応槽がL=77.6m、最終沈澱池がL=61.55mの長尺構造物で、設計上、継目はない。なおかつ、仕切り壁・中間スラブ等が多いため、クラックの発生、しいては漏水が大きな問題となる。今後、クラック発生を抑えるために、本社と連携をとりながら、最適な方法を採用する予定である。

 

その他

1.処理水の利用

よしずで囲んだ仮設トイレ

 四国、特に瀬戸内海側は例年夏場の水不足問題が深刻な状況であり、松山市においては「節水型都市づくり」を推進している。当工事においても、その一助とするべく、工事用水として「場内利用用水(下水二次処理水をストレーナおよび砂ろ過にて処理した水)」を使用することを提案し、現在、基礎杭根固めのセメントミルクの練混ぜ水に利用している。また、下水二次処理水を、工事用道路の散水にも利用している。
2. 暑さ対策
 梅雨が明け、連日30度を越す猛暑が続いており、当現場では、日本古来の「よしず」を利用して安価に暑さ対策を実施している。特に、仮設トイレをよしずで囲うことにより汗をかくことなく利用できるようになった。

 8月5日現在、基礎杭打設が3分の2(214本/333本)完了している。二次掘削にも着手した。杭打設完了は9月下旬、二次掘削完了は10月中旬、そして躯体工着手10月下旬を目指して、工事を進めていく所存である。

 

工事概要

工事名称 西部浄化センター水処理施設建設工事
工事場所 愛媛県松山市南吉田町2798−80
企業者 松山市
施工監理 日本上下水道設計(株)
工期 2004.12.22〜2007.2.20
施工 ハザマ・有光組JV(うち当社70%)
工事概要 掘削46,800m3、埋戻27,000m3、遮水鋼矢板III型1,150枚、IIw型251枚
基礎杭PHC500〜800 333本、
躯体工(土木):最初沈澱池 管廊 分配槽 反応槽 最終沈澱池 消毒タンク 独立管廊(型枠)
躯体工(建築):ブロワー棟 薬品室