ハザマ現場レポート

トヨテツ福岡

(原稿執筆:九州支店)

『快適・省エネ』を両立させた空調システムを提案
大型プレス機等を設置する大工場が完成しました

受注の経緯

 トヨタ自動車九州が現在の年産23万台から43万台へ増産する計画の中、グループ会社である豊田鉄工(株)も九州に生産拠点(工場)をつくることになりました。当社と豊田鉄工とは、現在まで海外工場(アメリカ、トルコ)の建設において良好な関係だったため、今回の計画も国際事業統括支店を通じて情報提供を受け、営業取組みを開始。4社の競争入札でしたが、本支店で綿密な連携をとり落札、工期・金額・品質・安全等の厳しい条件の中、工事を開始しました。

全景

 

建設地の状況

 今回の建設地である福岡県鞍手郡宮田町は福岡市と北九州市のほぼ中間にあり、人口約2万人の静かな山間の町です。最近は高速道路の利便性など立地の良さで相次いで工業団地が造成され、1991年には同町内にトヨタ自動車九州が進出してきました。これに伴い、各自動車の部品メーカーが進出、一大工業団地となっています。今回の工場建設地は、宮田工業団地の中でも若宮インターから約1kmと非常に交通の利便性の良い場所です。

 

工場の特徴

 敷地面積約50,000m2の中に、1棟建でプレス棟(約6,000m2)、溶接棟(約10,000m2)、発送場(約2,000m2)、事務所棟(1,000m2)に分かれております。この工場でつくられる部品の大半は、シャッシの一部とブレーキ・クラッチのペダルなどです。この工場はプレス棟に2,500トン、1,600トン、800トン、100トンプレスといった大型プレス機が備えつけられ、鉄板の切断(裁断)及び曲げ加工されたものを溶接棟にて自動溶接、組立を行い発送場で出荷を行うことが一つのラインとして流れるように計画されています。
 当社ではこの工場大空間での作業性の向上を図るために『快適』と『省エネ』とを両立させた空調システム(VZノズルによる吹出口の広域連続配置による成層空調方式)を提案。作業全域における快適な空間を提供する事ができ、企業者からも大変喜ばれています。構内道路は、資材(メインはコイル状の鉄板)及び製品出荷のための大型40トントレーラーの通行があるため、半たわみ性舗装(開粒度アスファルト混合物に浸透用セメントミルクを注入する工法)を採用し、剛性と耐久性を向上させ超重荷重にも耐えるように施工されています。

溶接棟内部

 

プレスピット全体(手前より1600トン、
2500トン、800トンプレスピット)
VZノズル設置状況、赤囲みがVZノズル。

 

工事の状況

プレスピット工事写真(型枠とコンクリート打設)

 今年の1月27日に起工式を行い、2月5日より杭打ちを開始しました。まず先行工事として仮設道路の整備をし、搬入道路を確保しての施工を行っていましたが、雨天続きの天候や地盤の悪さなどにより工事が予定通り進まず、大変苦労しました。基礎工事に入り、内寸法3m×深さ3.4mで総延長約120mもあるコンベアピット、そして大型プレス機械ピットの躯体工事は巾8m×長さ20m、深さ7.4mという大きさで、複雑な形状と機械の据付け精度(ミリ単位)を要求されていたので施工に苦慮しました。
 屋根は折板葺きで成型機によって送り出された長さ120mと60mがあり、総勢45名が職長合図のもと一斉に足並みをそろえ敷き込んでいくため、合図のタイミングと敷き込みのスピードを合わせながらの作業になりました。そのほか、全体工期の中で溶接機械設置等も行っていくため、工事着工4か月後には全体の3分の2にあたる12,000m2の部分を引き渡さなくてはならない厳しい工程でした。
  先に引き渡した溶接棟には自動溶接機などの精密機械が設置されたため、ホコリや振動といったことに配慮しながら施工を行う必要もありましたが、現場一丸となり取り組んだおかげで、短い工期にもかかわらず無災害で工期からさらに1か月短縮して引き渡しする事ができました。

コンベアピット内部
屋根葺き状況

 

工事概要

工事名称 トヨテツ福岡(株)工場建築工事
工事場所 福岡県鞍手郡宮田町下有木620−45
企業者 トヨテツ福岡(株)
設計・監理 (株)間組 九州支店一級建築士事務所
工期 2005.2.7〜2005.8.30
施工 ハザマ
工事概要 S造 地上1階(溶接・プレス棟・発送場) 地上2階(事務所棟) 最高高さ19m
建築面積19,743m2 延床面積20,233m2