ハザマ現場レポート

芋川災害関連緊急(東竹沢地区)工事

原稿執筆:北陸支店

新潟県中越地震で発生した河道閉塞(土砂ダム)の          
恒久対策工事として砂防堰堤を急ピッチで施工中

はじめに

現場全景
現場全景

 当工事は「新潟県中越地震」により旧山古志村で発生した河道閉塞(土砂ダム)の緊急対策工事施工後の恒久対策として、治水を目的とした砂防堰堤の築造を行う事業である。この砂防堰堤により下流への土石流発生、土砂流出を抑制するものである。

地震発生直後の緊急対策工事

 2004年10月23日(土)17時56分、新潟県中越地方をM6.8の直下型地震が襲った。川口町では震度7を観測し、その後も震度6強を含む余震が続いた。
 この「平成16年新潟県中越地震」により震源に近い山古志村の芋川流域では崩壊、地すべりが各所で発生し、道路の寸断、人家の倒壊、河道閉塞による人家の水没など甚大な被害を受けた。
中でも東竹沢地区では、大規模な土砂崩壊(幅295m、奥行き350m、約130万m3)による河道閉塞が発生し、上流の水位は上昇を続けた。このため閉塞土塊の上を自然越流することをポンプ排水により防ぐことと、積雪期前に融雪出水を十分に流せる排水路の整備が緊急の課題となった。
 芋川河道閉塞緊急対策工事はハザマJVが受注、緊急排水路(排水ポンプ12台)、仮設排水管(1,000×5条)の施工により水位を低下させた。また100年に1度の確率の出水に対応できる仮排水路(開水路)の施工も含め、約2カ月間の急速施工を行った。

 

一期工事(平成17年度)の施工

 砂防堰堤を含む恒久対策工事はハザマ単独で受注、2005年6月14日より着工した。
 概略設計による発注工事であり、設計と施工がほぼ同時に進められ、発注者、設計者と協議を重ねながら施工を行った。任意仮設による検討事項が多く、本店技術設計部、支店土木部など、関係者の協力が不可欠であった。

雪で覆われた現場
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 工事は仮設排水管撤去後、転流工(仮設水路工)予定地上にあった旧東竹沢小学校の撤去から着手した。校舎には一部アスベストが使用されていたため、解体の際には外部への拡散を防止するため、シートで完全に密閉し、防護服を着用してアスベスト撤去作業を行った。解体で発生した瓦礫やコンクリート擁壁は自走式破砕機ガラパゴスにより骨材として再生し、場内の路盤材などに有効利用した。校舎解体後、仮設水路の施工を行い、工事の大きな節目となる転流を10月後半に行うことができた。その後昼夜体制で提体の掘削を行い、提体基礎の地盤改良工として中層混合処理CDM工法を採用し、2台の杭打機で1,600mmの柱状改良体を造成した。雪の降る中も掘削法面の吹付コンクリート作業などが続けられたが、豪雪のため12月27日で工事一時中止となり、現場は3mを越す雪で一面覆われた。

 

二期工事(平成18年度)の施工

 2006年4月21日に除雪・水替え工から工事は再開された。昨年の地盤改良工の追加対策として、薬液注入工(二重管ダブルパッカ工法)、高圧噴射攪拌工法による地盤改良を行った。現在は年内の堰堤への転流、竣工を目指し、1号、2号堰堤の構築が、急ピッチで進められている。
 砂防堰堤は通常、最大寸法80mmの骨材を使用したコンクリートをバケットにより打設するが、1号堰堤ではポンプ打設可能な配合(21−8−40BB)に変更協議し、工程の短縮をはかった。また型枠は脱型作業が不要な残存型枠を使用した。マスコンクリートの施工となるため、温度応力解析を行い、適切なリフト割りを採用することで、提体のひび割れ発生確率を下げた。

右(上流側)より2号INSEM堰堤、
1号堰堤(本堤、副提、垂直壁)
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 2号堰堤はINSEM工法で施工を行った。これは砂防工事のニーズから生じた新しい工法で、現地発生土とセメントを現地混合して提体内部材(0スランプ)として使用することにより現地発生土の有効利用をはかるものである。施工に先立ち配合試験、試験施工を行い、セメント量200kg/m3、砕石50%の配合を採用した。セメントの二次混合には自走式改良機リテラを使用し、4t振動ローラによる転圧を行い、構築を行っている。

 

おわりに

 当現場は山古志地域の震災復旧による緊急工事の中核に位置し、国交省発注の特殊工法の多い工事であることから全国的に注目されている現場である。山古志作業所は12人のスタッフが日中は現場で汗をかき、夜は書類整理、明日の段取りに日々奮闘している。

いただいた寄せ書き
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  山古志中学校生徒による現場見学会では、「復旧工事に携わるみなさんへ」という題の寄せ書きをいただいた。我々は復興事業に携わり、地域貢献できることを誇りに思い、1日も早い帰村を待ち望んでいる方々のためにも全員一体となって工期内の竣工に全力を尽くす所存である。

工事概要

工事名称 芋川災害関連緊急(東竹沢地区)工事
工事場所 新潟県長岡市古志東竹沢地先
企業者 国土交通省 湯沢砂防事務所
工期 2005.6.14〜2006.12.28
施工 ハザマ
工事概要 【1号堰堤(コンクリート堰堤)】
  本堤  長さ106m、高さ14.5m、コンクリート5,748m3
  副提  長さ52m、高さ5.5m、コンクリート1,094m3
  垂直壁 長さ45m、高さ3.5m、コンクリート410m3
【2号堰堤(INSEM−SB堰堤)】
  INSEM盛土10,353m3、SB型枠1,633m2
【地盤改良工】 深層混合処理工12,288m3
【仮設水路工】  長さ207m 幅員2〜6m
【左岸進入路工】 L=328m 幅員4〜5.5m
【下流仮橋工】 L=63m 幅員6m
【付帯工事工】 
  構造物取壊し工
  梶金橋撤去
  旧東竹沢小学校撤去
【通信設備】  
   有線通信線路設備工
   CCTV設備工