ハザマ現場レポート

益田グリーンホテル建設工事

原稿執筆:広島支店

益田市の表玄関にふさわしい
もてなしの場が完成

待ちに待ったプロジェクト完成

益田市は、島根県と山口県の県境に位置する、人口5万人ほどの街です。北側を日本海、南側を中国山脈に囲まれ、古くから山陰と山陽を結ぶ要所として栄えてきました。
1993年に萩・石見空港が開港してからは東京・大阪からの直行便も運行され、また郊外に「石見臨空ファクトリーパーク」が立地されるなど、企業誘致も盛んに行われています。その一方で益田市の「表玄関」といえる益田駅前再開発の必要性が1970年代から長い間議論されてきました。この駅前再開発が実際に着工されたのは2004年11月。実に30年近くの月日を経てのプロジェクト着工でした。

建物全景
建物全景


駅前再開発の建物は、敷地面積5,338m2に建築面積4,6652、延床面積22,8092の建物で、A棟(複合施設―住宅・公益施設・商業施設)、B棟(ホテル棟)、C棟(駐輪・駐車場棟)の3棟から成り立っている建物です。2005年10月に開館した島根県芸術文化センター「グラントワ」とあわせた益田市の2枚看板のひとつで、島根県の西部を代表する建物です。

益田駅前ビルの名称は、公募によりEAGA(イーガ)と決定しました。これは

Epoch 新時代
Advance 前進する
Genial 優しい、快適な
Attraction 人を引き付ける場所

という英語の頭文字から出来た言葉で、『益田市中心市街地の核施設として、新時代に向け、とどまりなく前進し、優しく快適で、人を引き付ける魅力ある場所であり、人々が集い元気で集まる施設になるようにという願い』がこめられているそうです。

 

癒しの大浴場

今回我々は、駅前再開発の中でB棟と呼ばれたホテル棟『益田グリーンホテルモーリス』の設計および施工を担当しました。このホテルは、延床面積4,730m2、地上10階建て、客室数141室、3階に大浴場(サウナ)を備えた益田市最大規模のホテルです。「ホテルモーリスシリーズ」の施工は、出雲グリーンホテル、東広島グリーンホテルに続き3軒目であり、担当としても身の引き締まる思いで施工にあたりました。

「ホテルモーリスシリーズ」では、どの建物にも大浴場が完備されているのが特徴となっています。今回の建物は1900年代のニューヨークをイメージしたものとなっており、浴室にもそのイメージが生かされています。特に女湯は、「ホテルモーリスシリーズ」では初となる「檜風呂」となっており、旅の疲れを癒してくれる空間を備えています。
檜風呂については企業者にとって初の施設ですから、材料の選定からこだわっています。また防水・下地・檜との各接合部も細心の注意を払い、また施工図で何度も何度も仕上がりの細かい検討を繰り返し、施工を行いました。

男湯写真
女湯写真

1900年代ニューヨークをイメージした男湯

檜風呂の女湯

 

「そこに居ることの満足」をめざして(意匠設計担当:田辺)

日本海に沿って点在する小さな漁港をいくつも見ながら、海岸にせまる岬を越えて列車は益田に到着する。
益田は山陰本線と山口線が出合う古くからの交通の要衝で、室町時代には雪舟が2つの禅寺に趣の違う庭園を残している。この益田のJR駅前に再開発プロジェクトの核としてグリーンホテルモーリスが出店し、地方都市活性化の一翼を担いはじめている。
このホテルは、出雲、東広島に次ぐ当社設計・施工の「ホテルモーリスシリーズ」の3作目であり、それぞれが特色を有し、地域No.1の実績をあげている。
ホテルに入った瞬間から、益田での設計テーマである「そこに居ることの満足」をお客様に感じて頂くため、このホテルにはロビー、レストラン、客室、浴室、それぞれの場に機能とデザインの満足の素を織り込んでいる。
インテリア、家具に始まり、絵画、置物、書籍、音楽までの調達によりブレのない空間イメージが達成されたと思っている。
仕事を終えたビジネスマン、ビジネスウーマンが、益田でのひとときを、20世紀初頭の米国風の落ち着いた癒し空間の中でリラックスして頂ければ、設計と施工の関係者一同の大きな喜びである。

ロビー写真
部屋写真
シックなロビー部分
ゆったりとした居室

 

過去2件の施工の経験を活かす

前述の通り、この建物は「ホテルモーリスシリーズ」3件目の物件であり、特に品質面・機能面においては過去2件のホテル施工の際に頂いた企業者からの指摘事項は絶対にクリアするという使命の下、設計の田辺部長、監理の高橋部長(構造)・坂本課長(全般)を軸に、設備の窪田課長、施工図担当の香月さん、現場担当の秋庭・長嶺・高橋がチームワークを組み取り組みました。
特に遮音性能の確保と漏水の防止に関しては、考えられる全ての不具合要因を検証しながら、品質重視で施工にあたりました。具体的には、遮音についてはモデルルームを先行して作り、その中で100dbの音を発生させて音量を計測。結果は、基準値以下の52dbに収まっております。また漏水防止についても、外壁の窓すべてを対象に1枠毎にハイウォッシャーで散水し漏水の有無を確認しています。

 

限られた工期での施工

契約工期は2005年6月26日〜2006年6月30日でしたが、実際工事に着手できたのは、2005年のお盆明けからで、実質10カ月の工期で竣工を迎えることになりました。工期内竣工のため、いかに躯体を早く上棟(4月15日予定)するかがこの建物の工程管理における重要事項の一つでした。しかし躯体施工時期が冬場と重なった上にこの年は特に雪が多く、県外から通勤してくる協力会社の社員は雪のために2時間以上の通勤時間を費やして通勤せざるを得ませんでした。そんな中、メンバーの増員等で当初の工程より1週間も早く上棟を迎えることが出来たのは、本当に協力会社の皆様のおかげだと感じています。

この事業は再開発事業のため、B棟を担当した我々のほか、A・C棟施工・道路施工・広場施工といった多数のゼネコンによって施工しましたが、駅前再開発事務所の堀江所長をはじめとする事務所の皆さんがリーダーシップを発揮され、各ゼネコンの調整を取りながらの安全・工程管理に協力して下さったことに非常に感謝しています。本当にありがとうございました。

 ホテル夜景写真

工事概要

工事名称 益田グリーンホテル建設工事
工事場所 島根県益田市駅前町17−2
企業者 株式会社たからや
設計 株式会社間組一級建築士事務所
工期 2005年6月26日〜2006年6月30日
施工 ハザマ
工事概要 RC造 1/10 延床面積4,730.00m2 建築面積630.45m2 ホテル(客室141室)

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