栃木県医師会温泉研究所附属塩原病院新築工事(建築)

ハザマ現場レポート

西大津BP長等トンネル工事

(原稿執筆:大阪支店長等トンネル作業所 三山敬広)

供用中のトンネルに平行して
新トンネルを南北両側から当社単独で施工中!

はじめに

周辺位置図

 一般国道161号は、福井県敦賀市を起点に琵琶湖西岸を縦断し、滋賀県大津市で国道1号に接続する北陸地方と京阪神を結ぶ幹線道路である。しかし、近年の運送車両の大型化や自動車交通量の急激な増加に伴い、その機能は著しく低下している。西大津バイパス4車線化工事はこのような問題を解消することを目的とした工事である。このうち長等トンネル工事は現在2車線の対面交通としている既設(T期線)の長等トンネルに平行して、新たに2車線の道路トンネル(U期線)を新設する工事である。
 工事規模は、工事延長1,340mのうち、トンネル延長が1,312mで南北両側の坑口より施工する。
 それぞれの延長は北工区538.3m、南工区773.7mであり、掘削方法はNATMである。
 なお既設の長等トンネル(T期線)は二十数年前に当社の先輩方が施工したものである。

平面・縦断図
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北と南とT期線そして残土搬出

◎両坑口からの施工

 約1,300mのトンネルを両坑口(北工区・南工区)から当社単独で施工する。両工区で施工ということは、機械・設備・人が各工区に配置され、さながら二現場のようになっている。職員同士、同じ現場で勤務していても、一日の作業が終了するまで顔を合わせないこともあり、お互い顔を合わせたときは不思議な気分になる。また、両工区への往来はT期線を使用するが、T期線が旧自動車専用道であるため、現場への出入りは全て北行車線からの左折入場、左折退場しかできない。このため南工区から北工区への移動は問題ないが、北工区から南工区への工事用車両の移動は互いの距離が1,300mの位置にありながら迂回の制約条件と渋滞などで40分以上もかかることがある。

◎とっても狭い仮設ヤード

 北工区も決して広いわけではないが、特に南工区の仮設ヤードでは、10tダンプと乗用車のすれ違いが出来ないほど狭く、細長い。
 現場入口から坑口までは約400mあり、場内は一方通行である。たとえるならば、「うなぎの寝床」。そんな中、プラントの配置や機械の組み立てを工夫しながら行ってきた。
 現在、多いときは残土搬出のダンプトラック、生コン車、資機材搬入車等が延べ100台ほど現場内を通行する。これらの車両を交通整理するのは一苦労である。

北工区・仮設ヤード
南工区・仮設ヤード

◎T期線にやさしい施工

T期線とU期線の近接度(例)
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計測データ監視状況

 我々も使用しているT期線は、現在施工しているU期線とのトンネル中心離隔が約30mしかなく近接施工となっている。施工時の影響としては、U期線を掘削する際に発生する、地山の応力再配分(T期線がU期線に引っ張られる現象)によるT期線への影響が懸念されている。そこで、T期線の計測・監視を行いながらU期線を施工している。
 計測は、T期線内に設置したさまざまな測定器により24時間連続してデータを採取している。計測結果により、T期線の状況を確認・評価し、掘削時の発破薬量の制限やインバートの早期施工によるトンネル閉合を行い、影響を最小限にしている。

◎遠い残土搬出

 現在、残土搬出先は当工区より片道約55kmあり、1サイクル150分ほどかかっている。
このため、1日に1台が運搬可能な回数は限られ、仮設ヤードも狭いことから掘削進行にあわせた残土搬出を行うために、通常20〜60台のダンプが運行している。

多様な地質に対応して掘削を実施

◎不安定な地質

 地質は丹波層群の頁岩を主体としているが、石英班岩の貫入部やチャートが混在する。さらに北側坑口付近には、風化比叡花崗岩が分布している。また、全体にわたり北東−南西のリニアメントに沿って地質劣化が想定されている。この様に、多様に変化する岩盤を崩壊を予防しながら掘削するために、切羽前方の地質探査や、鏡吹付けコンクリート、水抜きボーリング、注入式フォアポーリング、長尺鋼管フォアパイリングなどの掘削補助工法を適時採用して掘削を進めている。

削孔検層実施状況

◎地質を先読み(削孔検層)

 北工区は、火成岩と堆積岩が混在するため、その境界は脆弱な地質であることが想定される。このため、掘削の事前に切羽前方の地質を把握する目的で削孔検層を実施している。

 削孔検層とは、トンネル切羽面より進行方向にボーリング(削孔)を行い、そのボーリングデータ(削孔時に出てくる岩片、削孔スピード、回転圧、打撃圧等)から、今後の地山の脆弱部が発生する位置を把握する方法である。
 これにより、適切な支保パターンを採用することや、掘削補助工法を用意周到に準備でき、U期線を安全に掘削しT期線への影響を緩和できるのである。

 

現場公開型のトンネル工事

◎小学生の見学会を実施

 本工事は、「るるぶ 大人の遠足BOOK 近代土木遺産ウォーク」という本に紹介されており、一般の方々の現場見学を受けている。現在、月当り20〜90人の見学者の訪問を受けている。8月には、約400通の応募の中から当選した小学生と保護者の方を合わせて90名(午前・午後部)の見学会を開催した。その様子は地元の琵琶湖放送でテレビ放映もされた。今後も、小学生から大学生、社会人に至るまでの様々な人々を対象とした見学会が企画されている。

見学会の様子
坑口での記念撮影

現在の状況(10月末現在)

 ○北工区:上半掘削404m、インバート260m、および、覆工134mを完了している。
 ○南工区:上半掘削439m、インバート331m、および、覆工157mを完了している。

北工区 覆工完了部
南工区 一次覆工完了部

 年末から年明けに向けて、工事の最盛期を迎えるが、多くの課題を克服し、無事故無災害での竣工を目標に職員一同まい進している。

工事概要

工事名称 西大津BP長等トンネル工事
工事場所 滋賀県大津市園城寺町地先〜滋賀県大津市藤尾奥町地先
企業者 国土交通省 近畿地方整備局 滋賀国道事務所
施工 ハザマ
工期 2006年3月14日〜2008年3月10日
工事諸元 工事延長 L=1,320m トンネル延長L=1,312m
(北工区 L=538,3m 南工区 L=773,7m)
NATM(発破掘削)掘削断面 A=67.1〜96.7m2
避難連絡坑 1箇所 L=18.8m 換気横坑 1箇所L=21.1m
坑門工 坑門工本体 明り巻工 擁壁工 法枠工
道路改良工 ブロック積工 排水構造物
仮設備工 一式

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