磐田駅前地区第一種市街地再開発事業に伴う
施設建築物新築工事及び除却・整地工事

ハザマ現場レポート

ET.SSー4プロジェクト SSーD館新築工事

(原稿執筆:東北支店)

安全性と施工性を考慮し
36mのトラス梁を2分割して施工

工事概要

正面写真

 かつては『白河の関』が存在した福島県白河市。そのJR新白河駅から3kmほど北西にある、西白河郡西郷(にしごう)村大字米(よね)字椙山(すぎやま)の椙山工業団地内、東北自動車道の白河インターチェンジからも車で10分とかからない利便性の高い場所に、“SSーD館”は存在する。 “SSーD館”は、この地でエレクトロテクノ株式会社から発注いただいた4棟目の生産施設でありA・B・C館に続くプロジェクトということで“D館”と名づけられた。ちなみに“SS”とは、新白河の略称である。
 建物は鉄骨造2階建、規模は建築面積9,700m2、延べ床面積16,500m2であり、用途は家電製品・パソコンや携帯などに使用されている基板材料を生産する工場で、事務所機能も備える。

 

慎重を期した杭・基礎工事

 工業団地造成前の古い地図や写真を見ると、D館の建設場所には沢があった。これは建物の支持地盤が沢の斜面なりに傾斜しているということを意味しており、わずか数メートル離れた隣同士でも杭の長さ(支持地盤となる岩盤層までの深さ)が全く違うことも予想された。一方、岩山を削って平らに造成した部分では、杭を打つどころか30cmほど掘るとすぐに岩盤が顔を現し、普通の土のようには掘削できなかった。施工計画段階では、通常の箇所数の倍以上で実施したボーリングデータを基に、更に何度も試験掘削を行いながら、支持岩盤までの深さを予想し、杭基礎と独立基礎の境目の見極めや杭長を決定した。
 また、施工段階においては、杭工事では斜めの岩盤で杭が横にずれないよう、杭の先端にクロスシューというズレ防止用の鉄板を取り付けて施工し、掘削時にはバックホーのバケットの先端に特注の鋼鉄製の爪を取り付けて岩盤を削り取って掘削した。この他にも、想定外の地中障害物の出現などもあり、慎重な施工が要求された。私たちの苦労とは対照的に、杭打機のオーガスクリューの先端やバックホーの爪が岩や砂で研磨され、ピカピカに光り輝いていた光景が今でも強く印象に残っている。

基礎躯体施工状況
岩掘削専用爪をつけたバックホーによる掘削
オーガスクリューの輝きと、
対照的な高止り杭の状況
クロスシュー
(厚さ9〜12mmの鉄板を十字型に組み合わせて溶接)

 

工程上の大きなポイント 鉄骨建方

 鉄骨造の建物は鉄骨建方が工程上の大きなポイントとなる。D館においては、企業者の要望から、出来るだけ柱が少なく広い部屋が計画されており、その実現のために随所にスパン10mを越える鉄骨梁が多用されていた。中でも、建物の中央部にスパン約38m、高さ4.5mもある巨大なトラス梁が7セットあり、組立方法、揚重計画、工程計画など、この現場の成否の鍵を握る重要なポイントとなっていた。トラスの重量と揚重用の重機の性能、地組するスペースなどを勘案した上で、トラス梁を大きく2分割して地組し、建方のための仮柱を使用して建てる計画を立てた。協力会社と一緒に悩み考えながらの施工ではあったが、計画通りに順調に施工することができた。

 

最初の計画案

  • トラス梁時組ヤード(捨コン打設+山留材レベル調整)
  • トラス梁フルサイズでの建方(総重量約12t、全長約36m、必要作業半径30m)。
  • 200Tオルテレンクレーン使用

検討後改善案(施工性・吊り上げ時の安全性・揚重機・地組スペースを考慮)

  • 1階土間を部分的に先行打設し、トラス梁時組ヤードに利用。
  • トラス梁を2分割で地組し、仮柱を使用して一時的に荷重を下階の梁に預けることを計画。
  • 仮柱と一緒に小さい方のトラス(総重量約4t、全長約12m)を先行して取り付け、つなぎ梁をトラス上下それぞれつないで仮に固定する。その後大きい方のトラス梁(総重量約8t、全長約24m要作業半径18m)を取り付けし、取り合うすべての部材を取り付けて、トラスのジョイントを本締め。最後に仮柱を撤去する。
  • 100Tオルテレンクレーン使用
トラス梁地組のようす
(一部スラブを先行打設している)
       建方用仮柱

 

仮柱とともに小さいトラスを設置
続いて大きいトラスを設置
同時に前日施工の仮柱を撤去

 

最後に

 その後、工事中は大きなトラブルもなく、基礎工事から鉄骨建方、床コンクリート打設、仕上げ工事へと順調に推移し、このプロジェクトの大きなキーデートである各別途工事業者への部分引渡しも順調に行うことができた。去る9月28日にはお客様への竣工・引渡しも無事に終わり、現在は別途工事業者による、本格稼動に向けた生産機械総合試運転・調整と、空調試運転が行われている段階である。
 企業者と私たち、現場に携わった多くの協力会社の皆さんと共に、悩み、考え、同時にそれを楽しみながら、一体となって創り上げることができた。今は事務部門がD館に移転した後の既存A館事務棟改修工事を進めているが、こちらも、企業者に満足いただけるよう全力を尽くしていきたい。

 

工事概要

工事名称 ET.SSー4プロジェクト SSーD館新築工事
工事場所 福島県西白河郡西郷村大字米字椙山9−41
企業者 エレクトロテクノ株式会社
設計 株式会社間組一級建築士事務所
施工 ハザマ
工期 2006年6月8日〜2007年9月30日
工事諸元 S造2階建 建築面積 9,718.02m2 延床面積 16,494.09m
うちクリーンルーム 対象床面積3,453m2 清浄度クラス10,000〜100,000(旧米国連邦規格)


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