ハザマ現場レポート

鹿児島空港気象ドップラーレーダー局舎建築工事

(原稿執筆:広報室)

鹿児島の空をより安全にする
ドップラーレーダー局舎を新築

全国で9番目のドップラーレーダー設置

現場全景

NHK大河ドラマ「篤姫」の舞台鹿児島。その空の玄関口である「鹿児島空港」は、霧島連峰や桜島を眺望できる高台に位置する。空港からは東京・大阪・名古屋そして奄美大島など離島への国内線の他、ソウル・上海への国際線も発着する。
この鹿児島空港で「気象ドップラーレーダー局舎」の建築工事を着工したのは昨年の7月の終り、鹿児島県における真夏日の連続日数を更新する暑い最中であった。「ドップラーレーダー」とは、飛行場と航空路周辺の降水と気流を「ドップラー効果」の原理を用い観測するレーダー。このレーダーで得られるデータにより、航空機の離発着時に影響を及ぼす急な風の変化を検知でき、航空機の安全運行に役立てられる。鹿児島空港は離島便が多い為、離発着が全国で9番目に多い空港で、このレーダーの設置も全国で9番目である。

 

高さ制限48mのもと

1日80便近くの発着がある鹿児島空港に隣接した場所での工事であるため、航空機の運行に支障が出ないように細心の注意をはらった。とりわけ注意が必要だったのが「高さ制限」。レーダー局舎ということで、レーダー本体部分を除いても高さ40m近くの建物を建設するが、クレーンの使用高さは48m以内に制限された。上部の鉄骨建方、揚重作業時には綿密なクレーン作業の打合せを行い、空港業務に支障の無いよう気をつかった。

鉄骨建方の様子

 

そば殻がらの利用〜バイオトイレ設置〜

バイオトイレ

このレーダー局舎は、通常250mほど離れた空港管制塔から遠隔で操作されるため、通常は無人の施設である。そのため、当初設計段階でトイレの設置予定はなかったが、施工を進める段階で、施設の保守管理時等を考慮しトイレを設置することとなった。

トイレは、スペースさえ決まれば簡単に設置できるかと言えばそうではない。特に水洗トイレにする場合、浄化槽の設置などで建築確認の再申請が必要となり、工期内に変更許可申請を得ることが非常に困難状況であった。

そこで、浄化槽の必要ない「バイオトイレ」を設置することとなった。「バイオトイレ」とは、そば殻90%・おが粉10%の菌床で繁殖した微生物が排泄物を分解するシステムを利用したもの。給排水が不可能な場所でも利用できるため、富士山などでも導入されている。
そば殻・おが粉を利用し、地球に優しく無事問題を解決し、竣工することができた。

処理装置
そば殻を攪拌している様子

 

運用開始は10月から

「ドップラーレーダー局舎新築工事」は1月末に無事引渡しとなったが、施設自体はその後別途業者によるレーダー本体等設備設置の施工が開始される。レーダー装置の設置を待つばかりの最上階部分は、現在は仮屋根で覆われている。今年夏ごろ、この屋根が取り外されて、ドーム型の装置が設置される。すべての工事が終了し、レーダーが試験運用されるのは10月からの予定である。

最上階部分
完成予想パース

 

中川所長からのコメント

取材後に中川所長から届いた「内覧会開催」のメールを紹介し、結びとしたい。
「工事も無事完了し、引渡し前に企業者の許可を頂き、現場関係者の家族を招き、内覧会と食事会を(参加者約90名)行いました。現場で頑張ってくれた職人さんや工事関係者は、自分の担当工事が終わると現場を離れ、完成を見ることはなかなかありません。そこで、無事竣工の感謝の気持ちを伝えたく企画しました。子供さんや奥様と一緒に建物を見てもらいたかったのです。建物を見学したり、飛行機の離発着を上から眺めたりと子供さんに喜んで頂き、とても好評でした。」

飛行機の離発着に興奮

みんなで集合写真!

 

工事概要

工事名 鹿児島空港気象ドップラーレーダー局舎建築工事
工事場所 鹿児島県霧島市溝辺町麓822
企業者 福岡管区気象台
設計 株式会社日立建設設計
監理 株式会社綜企画設計
工期 2007.6.28〜2008.1.31
施工 ハザマ
工事諸元 新築 RC、SRC、S造 4階建 建築面積246.48m2
延床面積  583.32m2 最高高さ39.025m