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『ウォーターボトル工法(鋼管柱構造による人工地盤構築工法)』を開発

−人工地盤構築に伴う遊水池の貯水容量の減少を抑制−

2006年5月31日

ウォーターボトル工法による新しい人工地盤の完成イメージ

 ハザマ(社長:新名順一)は、大規模造成地における遊水池を有効利用するための新工法「ウォーターボトル工法」を開発いたしました。本工法は、鋼管柱構造を用いた人工地盤構築工法により、遊水池の貯水容量の減少を最小限に抑える新工法です。
 土地の有効利用の観点から、近年、宅地開発時に築造された遊水池上に人工地盤を構築し、マンション、ショッピングセンターなどの施設を設ける事例が増えてきています。これまでの人工地盤*注1は、鉄筋コンクリートで地中梁、柱、梁、スラブを構築する構造が一般的であり、工事コストは安く抑えられるものの、鉄筋コンクリート部材の体積により遊水池貯水容量が減少してしまう、という問題がありました。貯水容量の減少分は遊水池の拡張によってまかなうこととなり、既設壁の取り壊し・再構築、新たな土地取得など、コストアップや工期の長期化を招くという問題点がありました。これらの問題を解決するため、ハザマは、内部貯水可能な鋼管柱を用いる*注2ことにより、遊水池貯水容量の減少を極力抑え、コスト縮減、工期短縮を可能*注3にする新しい人工地盤構築工法「ウォーターボトル工法」を開発いたしました。
 「ウォーターボトル工法」によって構築される新しい人工地盤構造は、PC節杭、鋼管柱、鋼ブレース、鉄筋コンクリート梁・床版から構成されています。
 本工法では、鋼管柱内部に貯水するため、鋼管柱には水の流入・流出のための孔が設けられています。孔にはフィルターが設置され、鋼管内部への土砂堆積を極力防止します。また、フィルターは取り外し可能であり、鋼管内に堆積した土砂の除去も可能です。
 基礎杭には、周辺環境への配慮から振動や騒音の発生がほとんどなく、また集合住宅などの大きな荷重にも十分に耐えうる支持力を発揮できる“先掘り先端根固めPC節杭工法”を採用しています*注4。PC節杭と鋼管との連結は豊富な実績を有する“突合せ溶接”により行われ、鋼管柱に作用する力をPC節杭基礎にスムーズに伝達いたします。
 鋼管柱部分は内外面ともに、普段は空気中にさらされていますが、出水時には水中に没することになるため、さび等に対する耐久性は重要な課題です。本工法におきましては、鋼管肉厚を構造的に必要となる厚さに加え、腐食しろ(2mm)を見込んだ厚さに設定することにより耐久性を確保しております。また、鋼管柱内外面に亜鉛メッキあるいは重防食塗装を施すことにより、さらに耐久性を高めております。
 本工法は地中梁を設置しないため、既設遊水池の底版コンクリートの解体・撤去工事および土工事を極力抑制することができます。このため工事に伴う廃棄物が少なく、環境にやさしい工法といえます。
 鋼管柱を用いた大型人工地盤構造物は、建設事例が少ないため、地震時の安全性について、地震時応答解析による検証を実施いたしました*注5。
 ハザマは、建設費の縮減・工期短縮が図れ、さらに産業廃棄物の低減を可能とした『ウォーターボトル工法』を広くアピールし、遊水池有効利用への採用を目指してまいります。

(注1)従来の人工地盤構造(鉄筋コンクリート構造)

(注2)ウォーターボトル工法構造図

(注3)コストダウン、工期短縮効果の確認
  −底面積:4,800m2の遊水池でのシミュレーション−

(注4)PC節杭の施工“先掘り先端根固め工法”と連結構造“突合せ溶接”

(注5)地震時応答解析

本構造に対する通常の静的な耐震設計の適用の妥当性について、地震応答解析による検証を実施いたしました。

人工地盤上に建つ集合住宅の試設計モデルを用い国土交通省告示で規定される極めて稀に発生する地震動を入力し、地盤―杭―建物連成の2次元FEM解析を実施しました。この結果、構造物の耐震安全性と静的設計の妥当性を確認しております。妥当性の評価に関しては、神奈川大学建築学科新機能型構造研究室より貴重なコメントをいただきました。

 

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