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二重管式水平ドレーンを用いた液状化対策
「アーチ・モール工法」を開発
−ハザマ・三井金属エンジニアリング・関根工業−

2006年7月7日

 ハザマ(社長:新名順一)、三井金属エンジニアリング(株)(社長:村口和夫)、関根工業(有)(社長:関根康正)の三社は、東北大学工学部渦岡良介助教授の指導のもと、地震時の地盤液状化対策として既設構造物直下地盤への適用が可能な「アーチ・モール工法」を開発し、模型振動台実験、シミュレーション解析によりその効果を確認しました。
 本工法*注1は、水平及び曲線掘削に豊富な実績を有する誘導式水平ドリル機械(以下、HDD)*注2を用いて、地盤内に1.0〜3.0m程度のピッチで二重管式ドレーン*注3を水平に設置し、地震時に発生する過剰間隙水圧を速やかに消散させて地盤の液状化を防止する工法です。
 平成6年と平成11年の消防法改正*注4によって、昭和52年以前に建設された石油等の危険物特定屋外タンク(旧法タンクと呼ばれる)と準特定屋外タンクは、耐震性が基準に満たない場合には、地震時における安定性向上のために地盤・基礎の改修・強化等の対策工事が義務付けられました。しかしながら、供用中のタンクに対策工事を実施する場合、既存の工法*注5では施工性、コスト、工期などの面で課題が多いことから、既設タンクの現状に応じた新しい工法の開発が期待されていました。
本工法は液状化対策を必要とする地層を狙って水平方向にドレーンを敷設できるため、鉛直方向への施工に限られていた従来工法に比べ合理的で、 なおかつ施工機械が小型なため狭隘な場所でも施工できることから、施設や構造物を供用したままの施工が可能です。また、低振動・低騒音であるだけではなく、薬液等による地下水汚染の心配もないため、環境に与える影響が少ない工法です。
 本工法で使用する管材料は、透水性が高く目詰まりしにくい構造のドレーン材(内径200mm)を内管とし、敷設時のドレーン材防護のための有孔管を外管として用いた二重管構造*注3としているので、水平ドレーン敷設が安全・確実に実施でき、施工後の維持管理も容易です。また、タンクに限らず、既設構造物直下や埋設物下部等の液状化対策工法として広範囲に適用できるものです。
 本工法については、ハザマ技術研究所(茨城県つくば市)において模型振動台実験*注6、シミュレーション解析*注7、材料引張試験*注8などを実施し、水平ドレーンを敷設することにより、無対策地盤に比べ過剰間隙水圧を早急に消散させる効果があることを確認いたしました。
 今後は試験施工による実地盤における施工性の確認や設計・施工・積算マニュアルを整備するとともにタンク基礎をはじめとし、道路、鉄道、堤防、港湾施設、建築物等、既存構造物直下の液状化対策工受注拡大に向けて営業展開していく予定です。なお、本工法については「水平ドレ−ンによる液状化対策工法」として特許出願中です。

注1:「アーチ・モール工法」のイメージ図

注2:誘導式水平ドリル機械

注3:二重管式ドレーン

注4:消防法改正による改修期限
 石油等の危険物屋外タンクは消防法令改正により,旧基準(昭和52年以前)で建設され新基準を満足していない特定タンク(旧法タンク),準特定タンクについて一定期間内に液状化対策工の実施が義務付けられました。

*旧法タンク(特定屋外タンク):昭和52年以前に建設された1,000kl以上の石油等の危険物屋外タンク
*準特定屋外タンク:500kl以上1,000kl未満の危険物タンク


注5:既存の工法について

注6:模型振動台実験の様子
 砂質地盤の液状化発生時において,水平ドレーンによる過剰間隙水圧消散効果(液状化抑制効果)を確認しました。また,その効果は鉛直ドレーンと同程度であることも確認しました。

 

注7:シミュレ−ション解析(過剰間隙水圧分布)
 実地盤を考慮した液状化解析において,水平ドレーンによる過剰間隙水圧消散効果を確認しました。

注8:材料引張試験の様子
 施工時にドレーン管(外管)に作用する引張力に対し、十分な引張強度を有していることを確認しました。

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