
ハザマ技術研究所「臭気測定認定事業所」に登録
臭気の分析・対策事業を開始
2007年5月30日
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写真1 嗅覚測定の様子 |
ハザマ(社長:新名順一)は同社技術研究所にて、建設業として初めて(※1:技術メモ参照)「臭気測定認定事業所」(第2種臭気測定認定事業所)に登録し、臭気の分析・評価事業を開始いたしました。これにより、工場等から発生する悪臭に対して「臭気指数規制」に対応した臭気の分析・評価・証明書発行が可能となる他、臭気の問題を抱える様々な業種の事業所に対して、ハザマの保有する気流数値解析技術・風洞実験技術などとあわせて総合的な環境改善提案・臭気対策工事を実施していく予定です。
工場などから発生する悪臭は、「悪臭防止法」※2により規制を受けています。同法ではこれまで22の悪臭物質に関する濃度の規制値を定めていましたが、平成7年より規制値として、「臭気指数」※3を導入しています。臭気指数は、「3点比較式におい袋法」というパネル(人)を用いた嗅覚測定(写真1)※4により算出される数値で、最近では、この臭気指数を規制値として採用する地方公共団体※5が増えています。 人の鼻は非常に敏感で、臭気物質によっては数ppb(10億分の1)の濃度でも感知できること、また、分析結果が人の感じ方に近いことから、この臭気指数が規制値として定められています。臭気指数を適切に測定・分析を行うのが「臭気測定認定事業所(第1種及び第2種:※6)」で、臭気判定士の資格保有やパネルなどの所定の条件整備や(社)におい・かおり環境協会※7による分析技能の検査などを経て、同協会により認定されます。現在、国内には、第1種で4事業所、第2種で64事業所が登録されています。
ハザマはこれまで臭気に関する研究を重ね、臭気実験用チャンバーの開発(写真2)※8や、工場などの施工案件に対しては、効率的な換気、オゾン脱臭、燃焼式脱臭など様々な悪臭防止対策を実施してきました。これら取り組みの一環として「臭気測定認定事業所(第2種)」の認定取得に挑戦し、国内では第64番目、建設業としては初めて昨年9月に認定を取得しました(写真3)。その後、同事業所として活動するため、技術研究所内の分析環境や体制の整備を進め、この度の分析・対策事業を開始することとなりました。
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写真2 臭気実験用チャンバー |
写真3 認定事業所登録証書 |
自治体などによる環境規制が強化される中、ハザマは今回、臭気測定認定事業所の登録により、臭気問題に関する事前調査〜対策立案〜工事〜検証〜メンテナンスまで一貫した顧客支援体制を構築いたしました。これを機に、関連分野の保有技術である、建物周辺の気流や汚染物の拡散を予測する数値解析技術(写真4)※9や風洞実験設備、室内の換気状況の善し悪しを評価する換気効率指標解析※10などを合わせた総合的な悪臭対策を提供してまいります。
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写真4 工場悪臭拡散数値解析結果 |
※1 これまで、機械メーカーや計測分析会社などの登録はありましたが、建設会社が臭気測定認定事業所の登録をするのは今回が初めてのケースです。
※2 悪臭防止法による臭気指数規制
昭和46年6月制定・公布、順次悪臭物質を追加指定し、最終的にアンモニア等22物質を「悪臭物質」として指定した上で、それらの物質濃度を規制。(これらの物質の濃度を規制し、個々の物質の濃度は小さくなっても、複合臭などの苦情が減らないことから) 平成7年7月同法を一部改正。これまで指定された悪臭物質を「特定悪臭物質」とする一方で、「臭気指数」を規制値として設定。(以下同法当該条文抜粋)
(規制基準)
一 事業場における事業活動に伴って発生する特定悪臭物質を含む気体で当該事業場から排出されるものの当該事業場の敷地の境界線の地表における規制基準 環境省令で定める範囲内において、大気中の特定悪臭物質の濃度の許容限度として定めること。 |
※3 臭気指数
臭気の強さを示す値。概略、臭気指数30程度で強い臭い。臭気指数10で臭いを感じない状態。例えば、臭気指数30を臭気指数10に低下させるには、無臭空気で1000倍(=103倍)に希釈する必要がある。
※4 3点比較式におい袋法による嗅覚測定(写真1)
臭気判定士(オペレータ)の管理の下、嗅覚の正常な6人の被験者(パネル)が写真1のように臭いをかぎ分け調べる一種の官能試験。採取してきた臭いを有する空気を無臭空気と比較しながら、その臭いが感じられなくなるまで無臭空気で薄めていき、その時の希釈倍率を「臭気濃度」、希釈倍率の対数の10倍をその空気の「臭気指数」とする。
※5 臭気指数規制導入の自治体
平成8年導入の下館市以降、東京都(平成13年導入)など、平成16年7月28日現在17都道府県(23区、95市、87町、12村)の217自治体で導入。
※6 臭気分析認定事業所の第1種と第2種の違い
第1種認定事業所は、特定悪臭物質の物質濃度測定まで可能な分析事業所。下表でアンダーライン部が差異。
| 第1種認定事業所 | |
| T臭 気 判 定 士 | 3名以上 |
| Uパ ネ ル | 選定試験に合格した者6名以上(半数以上が経験年数2年以上) |
| V臭気分析の実績 | 嗅覚測定法による測定検体数が1年間に100以上あること |
| W分析(試験)室 | 専門試験室、無臭室の設置 |
| X器 材 | 嗅覚測定及び特定悪臭物質測定に必要な器材を備えていること |
| Y技 術 基 準 | 臭気指数及び臭気排出強度を適切に測定できること(環境試料及び発生源試料) |
| Zそ の 他 | 排出水の臭気指数の算定方法(三点比較式フラスコ法)についても実施可能であること。 |
| 第2種認定事業所 | |
| T臭 気 判 定 士 | 2名以上 |
| Uパ ネ ル | 選定試験に合格した者6名以上 |
| V分析(試験)室 | においを感じない静かな場所 |
| W器 材 | 嗅覚測定に必要な器材が備えられていること |
| X技 術 基 準 | 臭気指数及び臭気排出強度を適切に測定できること(発生源試料) |
| Yそ の 他 | |
※7 におい・かおり環境協会(環境省所管の社団法人)
現会長:岩崎好陽氏。昭和44年設立時「悪臭公害研究会」。昭和62年環境庁所管の社団法人「臭気対策研究協会」として発足。平成15年「におい・かおり環境協会」に名称変更。総会員数862会員(うち正会員営利法人182、正会員公益法人19、公共会員66、賛助会員法人27、他)の悪臭防止や良好なかおり環境形成を目的とする社団法人。事業として、臭気判定士資格試験、悪臭防止対策・調査、機関誌「におい・かおり環境学会誌」発行、臭気分野の各種教育普及啓蒙活動、臭気測定認定事業所登録などを行う。
※8 臭気実験用チャンバー(写真2)
各種脱臭材の脱臭性能を検定する装置。実験室内に悪臭を一定濃度で満たし、装置に吸引し脱臭材試験体を通過した後の脱臭効果を計測する仕組み。脱臭材の形状を問わない他、通風量可変・高吸引圧力・視認可能・脱臭材の圧力損失測定可能などの特徴を有する。
※9 建物周辺の気流・汚染物拡散の数値解析技術(写真4)
建物周辺や都市空間などを流れる風の状況や、それに伴って起こる汚染ガスや臭気の滞留や拡散の状況をコンピュータを用いた流体計算により詳細に予測する技術。写真は、ある工場から発生した臭気が都市内に拡がる状況の予測結果。3次元的な臭いの拡がり方やその点の臭気指数などがカラーグラフィックスで表示される。
※10 換気効率指標
東京大学生産技術研究所 加藤信介教授が考案した、室内空間における換気システムの空気清浄化効果を定量的に分析・評価するための指標。室内の気流・汚染物拡散数値解析結果をもとに、この指標を適用し、室内のどこに新鮮空気が到達しやすいか、室内のどこが換気されにくく汚染されているかなどが判断できる。




