
超高層RC集合住宅の住戸プランの自由度を高める「CATS」を開発
−ハザマ・安藤建設 共同研究開発−
2008年3月5日
ハザマ(東京都港区虎ノ門:社長 小野俊雄)と安藤建設(東京都港区芝浦:社長 山田恒太郎)は、20〜50階クラスの超高層RC集合住宅において、外周部のチューブ構造に加え、建物中央にコア(エレベータや階段室)を囲む形状の耐力壁(コアウォール)を配置したCATS(Core walls And Tubes System)を開発し、設計施工マニュアルを作成しました。チューブ構造にコアウォールを組み合わせた当構法により、高い耐震性能を実現できるだけではなく、住戸内を無梁化し、住戸プランの自由度を高めることが可能となりました。
なお、当構法は、平成15年5月に安藤建設とハザマの間で締結した資本業務提携に基づき進めてきた共同研究開発の成果のひとつであり、リリースとしては3つめになります。
当構法は、建物中央のELV コア周りに厚さ750mm程度のコの字型コアウォールを対面配置し、両者を境界梁で繋ぎ、外周部にチューブ(ダブルチューブ、シングルチューブ)構造を配したものです。
従来、超高層集合住宅に用いられてきたラーメン構造は、低コストで建物の耐震安全性を確保できるものの、太い柱や高いせいの梁によって住戸プランに制約の多い構造形式でした。また、チューブ構造は、単体で用いた場合、室外に面する外周部の柱間隔が狭くなりがちで、開放性に富む開口部を確保することが困難でした。一方、当構法では、チューブ構造にコアウォールを併用したことで、チューブ構造の地震力に対する負担が減り、柱を細く、梁せいを低く抑えることができるため、自由度の高い住戸プランを実現できます。特に、中央のコアウォールと外周部のチューブ構造の間にある住戸部では室内へ梁型が出ないので、戸境壁を自由に配置し、将来のプラン変更にも柔軟に対応することが可能です。
技術開発にあたり、両社は当構法を用いた建物の地震時挙動を明らかにするため、試設計建物を想定し、神奈川大学工学部島崎和司教授に技術指導を仰ぎながら、実験と解析の両面から開発を行って参りました。
合理的でかつ精度の高い設計を行うために重要なのは、両社が共に構造設計で使用している構造設計プログラムでコアウォールを有するチューブ構造の設計を可能とすること、耐震設計においてコアウォールとチューブ構造それぞれが負担する地震力を適切に評価して、地震入力による動的解析を中心とした設計法で最適な部材寸法を決定することと考えました。
コアウォールに対しては、高軸力が作用するコアウォール端部・隅角部の横補強筋によるコンクリートの拘束効果、変形能力を確認するための要素実験、要素実験の結果を考慮して試設計したコアウォール全体の1/3縮小モデル3体の静的繰返し載荷試験を行い、想定した構造性能が得られることを実証しました。
また、その実験結果と構造設計プログラムによる解析結果との比較から、コアウォールの地震時挙動を精度良く評価できることを実証しました。さらに、試設計により、当構法を用いた建物が、ラーメン構造を用いた建物と比較して地震時の建物全体の層間変形が均一化され、外周チューブが効率良く地震エネルギーを吸収する高い耐震性能を有することが確認できました。
両社による試設計建物の躯体コスト試算から、当構法がほぼ同条件の純ラーメン構造と同程度のコストにて施工可能であることが確認できました。また、柱・梁を現場打ちコンクリートで構築するコスト優先の在来工法と工期優先の柱・梁PCa工法の検討を行い、当構法でどちらの工法を採用しても従来の純ラーメン構造でそれぞれを採用した場合と同様のサイクル工程日数で施工できることを確認しました。
今後、両社は、当構法を活用した耐震性能及び居住性能に優れた超高層RC集合住宅を積極的に営業展開して参ります。
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CATSの概念図 |
CATSを用いた超高層RC集合住宅 |
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コアウォール試験体(1/3縮小モデル) |
測定装置とひび割れ状況の確認 |
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コアウォール端部・偶角部の縮小試験体要素実験状況 |
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コアウォールの静的繰返し載荷試験 試験装置全景 |
試験体破壊状況 |
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コアウォールの荷重−変形関係の実験値と解析値の比較図 |








